ワンルームマンション条例とは?

ワンルームマンション条例(規制)はワンルームマンションの建設を規制する条例です。

ワンルームマンション投資を検討するにあたって、このワンルームマンション規制を理解しておくことは非常に重要です。

ワンルームマンション条例とは何なのか?

なぜ規制されるのか?

その規制の影響は?

順番に詳しく見ていきましょう。

目次

  • ワンルームマンション条例とは?
  • 規制されるのはワンルームマンションだけではない
  • なぜワンルームマンションの建設が規制されるのか?
    • 居住者のマナーが悪い
    • 地域活性化につながらない
    • 税収入にならない
  • ワンルームマンション条例の大まかな内容
    • 1部屋あたりの最低専有面積
    • ファミリーマンションの併設
    • マンション建築主への課税
  • 東京23区のワンルームマンション条例の詳細一覧まとめ
  • 大阪・福岡のワンルームマンション条例
  • ワンルームマンション条例でペンシルマンションが激減
  • ワンルームマンション条例が投資に与える好影響

ワンルームマンション条例とは?

ワンルームマンションの建設を規制する条例のことです。

現在、東京23区の全てに条例と指導要綱による規制がされています。

ワンルームマンションを建築するな、という意味ではありません。

「ワンルームマンションを建築するにあたって、一定の基準を設けます。その基準をクリアしないとワンルームマンションの建設は認めません。」

という条例です。

また、23区が一律同じ条例または指導要綱という訳ではなく、各区ごとに内容が異なります。

名称も様々で、例えば千代田区であれば「ワンルームマンション等建築物に関する指導要綱」、渋谷区では「渋谷区ワンルームマンション等建築物の建築に係る住環境の整備に関する条例」という名称になります。

規制されるのはワンルームマンションだけではない

ワンルームマンション規制と聞くと、対象がワンルームマンションのみと勘違いされる方が多いですが、実はそうではありません。

ワンルームだけではなく1K、1DK、1LDKなども含まれます。

基本的にお部屋の専有面積が40㎡未満の物件が対象となります。

なので、お部屋の間取りというよりは、専有面積が大切な指標となります。

なぜワンルームマンションの建設が規制されるのか?

なぜ各区はワンルームマンションの建設にこのような規制を設けるのでしょうか?

ワンルームに住むのは基本的に単身者ですから、単身世帯が増えることで起こる区にとっての弊害を考えてみましょう。

居住者のマナーが悪い

単身者は家族世帯に比べるとどうしても居住マナーが悪くなってしまう傾向にあります。

深夜の騒音やゴミ出しルールなどをめぐって入居者同士、または近隣住民とトラブルになる事例も報告されています。

地域活性化につながらない

基本的に単身者は地域コミュニティへの参加に消極的です。

あくまで、賃貸の仮住まいなわけですから数年で引っ越ししてしまうことも多いので、その地域の人々と密接にかかわる機会もそもそも多くありません。

なので、そんな単身者が増加してしまうと、地域コミュニティが希薄化してしまい活動が停滞してしまう恐れがあるのです。

税収入にならない

各区の重要な収入源の一部として「住民税」があげられます。

区としては、その区に個人の住民票が無いと「住民税」を課すことができません。

単身者の中には学生も多く、住民票を親元から移していない人も多くいます。

また、所得が低いと得られる住民税も少なくなりますから、そういった意味で収入につながらないワンルームマンションを建築するよりも、ファミリーマンションを多く建築したほうが区としての財源もより多く確保できるのです。

ワンルームマンション条例の大まかな内容

ワンルームマンション規制の目的は各区ごとに様々です。

1部屋あたりの最低専有面積

規制の内容ですが、主な内容は「1戸あたりの最低専有面積の規制」です。

23区の場合、そのほとんどが「1戸あたりの最低の専有面積を25平方メートル以上」としています。

つまり「25平方メートル以下のマンションは建てられない」ということです。

ファミリーマンションの併設

ワンルームマンション建築に当たって、マンション内の一定戸数については、ワンルームではなくファミリータイプ(40㎡以上)の住戸を併設するよう義務づけているところも多いです

マンション建築主への課税

豊島区においては、ワンルームマンションの建築主に対して、1部屋あたり50万の税金を課税しています。

東京23区のワンルームマンション条例の詳細一覧まとめ

ワンルームマンション規制の目的は各区ごとに様々です。

その詳細をいかにまとめましたのでご覧ください。

東京23区ワンルームマンション条例のまとめ

大阪・福岡のワンルームマンション条例

では、東京以外の都市のワンルーム条例はどのような内容なのでしょうか。

以下にまとめました。

大阪と福岡のワンルーム条例

大阪・福岡ともにほぼ同じ内容です。

最低面積は東京よりも小さく18㎡、天井高2.3メートル以上というものです。

東京のようにファミリー住戸の設置義務もないので、非常に緩いのが分かります。

デベロッパーとしては非常に建築しやすいでしょうね。

ワンルームマンション条例でペンシルマンションが激減

ペンシルマンションとは、ワンフロアに2~4戸程度の部屋数で、土地が狭く縦に細長いマンションのことです。

最近のマンションではほとんど見かけませんが、少し古いワンルームですとよくある形です。

ワンルームマンションの規制は1980年代からありましたが、2002年頃からはその内容は強化され、条例化が図られるようになりました。

最低建築面積やファミリーマンション併設などのワンルームマンション規制により、狭い土地にペンシルマンションを建築することが不可能になったのです。

面積に関してもワンルーム規制前のマンションですから18㎡程度のものも数多く存在します。

ワンルームマンション条例が投資に与える好影響

ワンルームマンションの規制により、新築のワンルームマンションを建築するのは一昔前に比べると非常に難しくなってきています。

デベロッパーや事業者からするとワンルームマンション規制によって供給が減ってしまうのは死活問題です。

ただし、ワンルームマンションオーナーからすると、こういったワンルーム規制の影響で、ワンルームマンションの建築が制限されているのは、非常に大きいメリットともいえます。

今後、東京都内の単身者数は増加傾向にあるという予測がすでに出ています。

単身者が増加傾向にあるにもかかわらず、その住居としての受け皿であるワンルームマンションの新規供給が頭打ちになるということは、都心で好立地の中古ワンルームマンションの希少価値は今後益々高くなることが予測されます。

需要に対して供給が追い付かない状況であれば、賃料の値上げも期待できますし、それによってアップした資産価値で売却益をより多く見込むことも可能となります。

ワンルーム規制はワンルームマンションオーナーにとっては決して不利に働く条例ではありません。

むしろ所有物件の資産価値を益々高めてくれるものなのです。

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