- 更新日:2024年3月28日
- 公開日:2018年1月25日
賃貸、自宅、投資物件を探す際に物件詳細欄に「構造」という欄が必ず記載されていると思います。
その構造部分に「RC造、SRC造、S造、W造」などの表記がされていると思います。
賃貸であれば、あまり細かいことを気にされる人もいないかと思いますが、実は賃貸を選ぶうえでも、売買を希望される場合でも非常に重要な意味を持ちますので、今回はそれぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しくお話ししていこうと思います。
目次
RC造とは?
RC造りとは、Reinforced Concreteの略で「鉄筋コンクリート造り」を指します。
Reinforcedは「補強された」という意味を持ち、鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造のことです。
イメージとしては以下のような感じですね。
コンクリートの中に鉄筋を入れることで強度を保つ構造です。それぞれの強みと弱点を書いてみます。
- コンクリート・・・熱に強いが、ひっぱる力に弱い。
- 鉄筋・・・・・・・引っ張る力に強いが、熱に弱い。
このように、鉄筋コンクリートはお互いの弱点を補いあっているのが分かりますね。
RC造りのメリット
一般的に低層・中層のマンションはほとんどこの造りです。
なので投資用のワンルームなどはほぼRC造ですね。
耐火性、遮音性、耐震性に優れています。
RC造りのデメリット
W造(木造)やS造(鉄骨造)に比べると建築コストが高くなってしまいます。
もちろんその分価格も家賃も高くなるわけですが。
そして、解体する際のコストも高くなります。
SRC造りとは?
SRC造りとは、Steel Reinforced Concreteの略で「鉄骨鉄筋コンクリート造り」を指します。
冒頭でご説明したRCにS(鉄骨)が加わり、より強度が増した構造のことですね。
イメージとしては以下のような感じです。
鉄筋の中心に太い鉄骨が入っているのが分かるかと思います。
見て分かるように、RCよりもSRCの方が頑丈です。
主に10階以上の高層マンションやタワーマンションなどで採用される構造です。
(※ただし、近年では建築技術の進歩により、RC造りの高層マンションも増えてきております。)
SRC造りのメリット
中心に鉄骨が入っている分、当然頑丈な造りになっています。
耐震性、耐火性、遮音性のどれもが優れています。
また、錆にも強いです。
RCよりも強度が優れているので、その分柱や梁を細く建築することができます。
SRC造りのデメリット
工事工程が複雑化するので工期がその分長くなりますし、資材価格も余分にかかる為、RCに比べると、価格と家賃が高くなってしまいます。
また、解体コストも高額となります。
S造りとは?
S造りとは、Steelの略で「鉄骨造」を指します。
建物の柱や梁に鉄骨を使用した構造のことです。
ただし、もちろん骨組みは鉄骨ですがそれ以外の場所には木造も材料として使用していますまた、S造り(鉄骨造り)は重量鉄骨造りと軽量鉄骨造りの2つにわけることができます。
その違いとしましては、鋼材の厚みが6mm以上あるかないかで区分されます。イメージとしては以下のような感じですね。
S造りのメリット
一般的に木造よりも強度は強く、遮音性も高いです。
柱が木ではなく鉄骨なので、柱と柱の間を広くとることができます。
建築費用も比較的安く、アパートなどに使われることが多いです。
地盤の状況によってはRC造りの建物が建てられなくても、S造りの建物であれば建てられる場合もあります。
また、建物の構造体と内部の間仕切りがそれぞれ独立しているので、築年が経過した際に、ライフスタイルの変化に合わせて間取り変更も可能です。
S造りのデメリット
一般的に木造よりもコストが高くなりがちです。
また、鉄骨が外に露出した部分などは錆びやすいので注意が必要です。
また、上からの押さえる力に弱いので屈折しやすく、耐火性もRCやSRCほど高くない。
W造りとは
W造りとは、woodの略で「木造」を指します。
木造とは柱や梁や桁といった建物の骨組みの部分に木を使用した構造のことです。
一般的にアパートや戸建てによく使われます。
W造りのメリット
何といっても価格の安さでしょう。
あと間取りや建築の自由度が高いことが挙げられます。
木は梅雨のような湿気の多い時期には水分を吸収し、冬の空気の乾燥する時期にはその水分を放出するという特性がある為、四季のある日本の気候にマッチした建造物と言われています。
W造りのデメリット
耐火性・遮音性の低さが挙げられます。
また、気象による劣化も他の構造に比べ大きくなります。
その分耐久性の面でどうしても劣ってしまいます。
木造特有のシロアリによる害虫被害などの可能性も考えなければなりません。
まとめ
賃貸を選ぶ際に「遮音性」などは非常に重要な物件選択要素になってくると思いますが、現地にいって確認するだけでなく、そもそも遮音性の高い構造なのかどうか?などを判断する際に今回の情報を使っていただければと思います。
不動産投資を行う際には、天候によるリスク(雨、雪など)もございますので、その地域の気候に合わせた物件選びに今回の情報を役立てていただければ幸いです。
また、建物構造と同様にお部屋の間取りも非常に違いが分かりにくいので、以下にお部屋の間取りとその違いを図で一覧にしました。
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